【ドローン国家資格】2章 無人航空機操縦者の心得 〜読込編〜

ドローン

二等無人航空機操縦士の資格取得を目指す方への記事です。
そもそも無人航空機操縦士って何?という方は、第一回の記事をご覧ください。

スポンサーリンク

2章 無人航空機操縦者の心得 〜読込編〜

初めに教則の読みこみを行なっていきます。〜実践編〜ではこの内容を元にテストを実施していきます。では早速テキストに入っていきます。

操縦者の役割と責任

操縦者としての自覚

① 無人航空機の運航や安全管理などに対して責任を負うこと。
② 知識と能力に裏付けられた的確な判断を行うこと。
③ 操縦者としての自覚を持ち、あらゆる状況下で、常に人の安全を守ることを第一に考えること。

役割分担の明確化

① 無人航空機操縦者技能証明(以下単に「技能証明」という。)の保有者が複数いる場合は、誰が意図する飛行の操縦者なのか飛行前に明確にしておくこと。
② 補助者を配置する場合は、役割を必ず確認し、操縦者との連絡手段の確保など安全確認を行うことができる体制としておくこと。

準備を怠らない

無人航空機の事故は、飛行前の様々な準備不足が直接的又は間接的な原因となっていることが多い
ことから、事前の準備を怠らないこと。
レクリエーション目的で飛行する場合でも、業務のために飛行する場合でも、安全に飛行するためのルールに関する情報、リソース、ツールを入手すること。

ルール・マナーの遵守

① 安全のために、法令やルールを遵守すること。
② 空域は、無人航空機のみでなく航空機も利用している。航空機と無人航空機との間で飛行の進路が交差し、又は接近する場合には、航空機の航行の安全を確保するため、無人航空機側が回避する行動をとること。
③ 飛行させる場所ごとのルールや遵守事項に従い、一般社会通念上のマナーを守るとともに、モラルのある飛行を行うこと。
④ 飛行に際しては、騒音の発生に注意をすること。

無理をしない

① 自然を侮らず、謙虚な気持ちで、無理をしない。
② 計画の中止や帰還させる勇気を持つこと。
 危険な状況を乗り切ることよりも、危険を事前に回避することの方が重要である。

社会に対する操縦者の責任

操縦者は、飛行を開始してから終了するまで、全てに責任を問われる。操縦者の最も基本的な責任は、飛行を安全に成し遂げることにある。
したがって、飛行の全体にわたって安全を確保するための対策を実施する必要があり、その責任は操縦者が負っていることを自覚すること。

第三者及び関係者に対する操縦者の責任

第三者や関係者が危険を感じるような操縦をしない、第三者が容易に近付くことのないような飛行経路を選択するなど、常に第三者及び関係者の安全を意識すること。

※資格を持っていない状態では、ヒト・モノから30m以内の飛行は原則禁止となります。

事故を起こしたときに操縦者が負う法的責任

衝突や墜落等の事故を起こしたときに、操縦者が負うことのある責任には、「刑事責任」「民事責任」があり、また「行政処分」を受けることがある。

(1) 刑事責任 衝突や墜落により死傷者が発生した場合、事故の内容により「業務上過失致死傷」などの刑事責任(懲役、罰金等)を負う場合がある。
→事故の原因に重大な過失などがあるときや、事故の大きさ、影響度などによっては掲示責任がある。
 この責任の取り方として行政処分がある。

(2) 民事責任 操縦者は、被害者に対して民法に基づく「損害賠償責任」を負う場合がある。
→一般的に全ての事故で発生するもの

(3) 行政処分 航空法(昭和 27 年法律第 231 号)への違反や無人航空機を飛行させるに当たり非行又は重大な過失があった場合には、次のような行政処分の対象となる。
 ① 技能証明の取消し
 ② 技能証明の効力停止(期間は1年以内)

安全な飛行の確保

飛行計画の作成・現地調査

(1) 飛行計画の作成
 ① 無人航空機の性能、操縦者や補助者の経験や能力などを考慮して無理のない計画を立てる。
 ② 近くを飛行するときや飛行経験のある場所を飛行する場合でも、必ず計画を立てる。
 ③ 何かあった場合の対策を考えておく
  (緊急着陸地点や安全にホバリング・旋回ができる場所の設定等)。
 ④ 計画は、ドローン情報基盤システム(飛行計画通報機能)に事前に通報する。
  ただし、あらかじめ通報することが困難な場合には事後に通報してもよい。

※④の事後通報は、災害などで要請があって飛行させた。というような場合に適用される。個人的な理由の場合は認められない場合があるので注意。

(2) 飛行予定地域や周辺施設の調査

 ① 日出や日没の時刻等
 ② 標高(海抜高度)、障害物の位置、目標物等
 ③ 離着陸する場所の状況等
 ④ 地上の歩行者や自動車の通行、有人航空機の飛行などの状況等

機体の点検

飛行前には必ず機体の点検を行い、気になるところがあれば必ず整備をしてから飛行を開始する。

→飛行前点検は実地試験でも行います!

気象情報の収集

飛行前に、最新の気象情報(天気、風向、警報、注意報等)を収集する。

地域情報の収集

地域によっては、地方公共団体により無人航空機の飛行を制限する条例や規則が設けられていたり、立入禁止区域が設定されていたりする場合があることから、飛行予定地域の情報を収集する。

服装に対する注意

① 動きやすいもの
② 素肌(頭部を含む)の露出の少ないもの
③ 無人航空機の飛行を行う関係者であることが容易にわかるような服装
④ 必要に応じてヘルメットや保護メガネなどの保護具を準備する

体調管理

① 体調が悪い場合は、注意力が散漫になり、判断力が低下するなど事故の原因となる。
② 前日に十分な睡眠を取り、睡眠不足や疲労が蓄積した状態で操縦しないなど体調管理に努める。
③ アルコール等の摂取に関する注意事項を守る。

技能証明書等の携帯

特定飛行(航空法において規制の対象となる空域における飛行又は規制の対象となる方法による飛行)を行う際には、
許可書又は承認書の原本又は写し(口頭により許可等を受け、まだ許可書又は承認書の交付を受けていない場合は許可等の年月及び番号を回答できるようにしておく。)、
技能証明書(技能証明を受けている場合に限る。)、
飛行日誌
を携帯する。

飛行中の注意

(1) 無理をしない
飛行中は、気象の変化に注意し、天候が悪化しそうになれば、飛行途中でもただちに帰還させるか、又は緊急着陸するなど、安全を第一に判断する。
危険な状況になった場合に、適切に対応できるだけの能力を身に付けておくことは必要であるが、危険な状況になる前にそれを察知して回避することが操縦者としてより大切である。

(2) 監視の実施

無人航空機の事故のうち、十分に監視をしていなかったことが原因となる事故が多発している。
無人航空機の飛行する空域や場所には、他の航空機をはじめ、ビルや家屋といった建物や自動車、電柱、高圧線、樹木などの飛行の支障となるものが数多く存在する。
衝突防止装置を搭載する機体もあるが、衝突防止装置を過信せず、鳥等にも注意を要する。飛行に際しては、周囲の監視が最大の安全対策である。
補助者を配置する場合には、情報の共有の方法についても事前に確認し、状況把握における誤解や伝達の遅れなどがないよう配慮する。

(3) ルールを守る
飛行中は飛行のルールを守る。
また、法令や条例に定められたルール以外にも、ある地域において限定的に行われている地域の特性に応じたルールや社会通念上のマナーについても遵守する。

飛行後の注意

(1) 飛行後の点検
飛行が終わった後には、機体に不具合がないか等を点検し、使用後の手入れをして次回の飛行に備える。
→飛行後点検は実地試験でも行います

(2) 適切な保管
飛行の終了後には、機体やバッテリー等を安全な状態で、適切な場所に保管する。
→残量は60%程度が最適と言われています。

(3) 飛行日誌の作成
特定飛行を行った場合には、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録を遅滞なく飛行日誌(紙又は電子データ)に記載する。
特定飛行に該当しない飛行の場合でも、飛行日誌に記載することが望ましい。
また、リスクに対する対応が不十分と感じた場合は、今後の飛行に備えた記録も行うことが望ましい。

事故が起きた時の対応

事故を起こしたら

① 慌てず落ち着いて、ケガの有無や、ケガの程度など、人の安全確認を第一に行う。
② 機体が墜落した場合には、地上又は水上における交通への支障やバッテリーの発火等により周囲に危険を及ぼすことがないよう、機体が通電している場合は電源を切るなど速やかに措置を講ずる。
③ 事故の原因究明、再発防止のために飛行ログ等の記録を残す

→実地試験でも事故処理を行います。その際は上記の手順を含め、以下のように進めていきましょう。
 Step0.直ちに飛行の中止(飛行中の場合のみ)
 Step1.負傷者の確認・救護(負傷者がいる場合→救護・救急車の要請)
 Step2.事故状況の確認
 Step3.通報(火災の場合→消防・警察、それ以外→警察)
 Step4.事故処理後に国土交通省への報告

通報先

無人航空機の飛行による人の死傷、第三者の物件の損傷、飛行時における機体の紛失又は航空機と
の衝突若しくは接近事案が発生した場合
には、事故の内容に応じ、直ちに警察署、消防署、その他必要な機関等へ連絡するとともに、国土交通省に報告する。

→事故には、以下のような内容が含まれます。
 ・航空機との衝突または接触
 ・重体以上の怪我(治療に1ヶ月以上かかる場合が重体)
 ・物件の損傷(こちらは程度にかかわらず事故)

→事故と並べて考えられる、重大インシデントは以下のような内容が含まれます。
 なお、事故ではない重大インシデントについても、発生した場合は国土交通省への報告が義務付けられています。
 ・航空機との衝突または接触のおそれ
 ・無人航空機の飛行中の操作不能
 ・無人航空機の飛行中の発火

保険

無人航空機の保険は、車の自動車損害賠償責任保険(自賠責)のような強制保険はなく、すべて任意保険であるが、万一の場合の金銭的負担が大きいので、保険に加入しておくとよい。無人航空機の保険には、機体に対する保険、賠償責任保険などいろいろな種類や組合せがあるので自機の使用実態に即した保険に加入することが推奨される。

→ドローンは自動車と比べても様々なリスクがあります。航空機との接触や、駅などでの事故が発生した場合、数億の損害賠償を求められるケースがあります。強制保険はありませんが、必ず保険には加入しましょう。

以上で、2章 無人航空機操縦者のこころへの読込編は終わりです。
次の実践編にて、ここで学んだ内容が定着しているか確認していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました